VOC分析とは?やり方・手法・進め方をデータでわかりやすく解説
VOC分析とは、顧客の声(Voice of Customer)を収集・分類し、商品やサービスの改善に活かす手法です。レビューや問い合わせなどに散らばった生の声を、評価の観点ごとに整理して、どこが満足され、どこに不満が集中しているかを数値で見えるようにします。
この記事では、VOC分析の目的から収集方法、進め方の手順、代表的な手法までを順番に整理します。最後に、実際の商品カテゴリの声を観点ごとに定量化するとどう見えるのかを、独自集計のデータでお見せします。
VOCとは何の略?
VOCは Voice of Customer の略で、日本語では「顧客の声」と訳されます。アンケートの回答だけでなく、商品レビュー、SNSの投稿、コールセンターへの問い合わせ、チャットの履歴など、顧客が残したあらゆる声がVOCにあたります。
VOC分析の目的は何か
VOC分析の目的は、感覚や思い込みではなく、実際の顧客の声を根拠にして意思決定をすることです。具体的には次のような場面で役立ちます。
- 商品やサービスの改善点を、優先順位をつけて把握する
- 新商品の企画や訴求メッセージの裏づけにする
- 解約や離脱の理由を早く見つけて手を打つ
- 競合と比べて、自社のどこが評価され、どこが弱いかを知る
ポイントは、声を集めること自体ではなく、集めた声を比較できる形に整理することです。整理されて初めて、どの観点に手を入れると満足度が上がるのかが見えてきます。
VOCの収集方法
VOCは大きく、顧客から直接もらう声と、すでにどこかに存在している声に分かれます。
直接もらう声には、アンケート、NPS調査、インタビュー、問い合わせ対応の記録などがあります。一方ですでに存在している声には、ECサイトの商品レビュー、SNSの投稿、口コミサイトの評価などがあります。
特にレビューやSNSは、企業が質問を設計しなくても顧客が自発的に語っているため、本音が出やすいのが特徴です。量が多く分析の手間はかかりますが、そのぶん示唆も大きい情報源です。
VOC分析の進め方(5ステップ)
VOC分析は、次の5つのステップで進めると整理しやすくなります。
- 目的を決める。何を判断したいのかを先に決めます。改善なのか、企画なのか、競合比較なのかで集める声が変わります。
- 声を集める。目的に合った情報源から、十分な量のVOCを集めます。少数の声で結論を出さないことが大切です。
- 観点に分類する。集めた声を価格、使いやすさ、効果などの評価の観点に振り分けます。
- 定量化する。観点ごとに、肯定的・中立・否定的の割合を数値にします。ここで初めて比較ができるようになります。
- 打ち手に変える。不満が集中している観点を優先的に改善し、満足されている観点は訴求に使います。
VOC分析の主な手法
VOCを分類・定量化するときには、次のような手法がよく使われます。テキストマイニングは、文章を単語や文節に分解して、よく出てくる言葉や組み合わせを見つける手法です。感情分析(センチメント分析)は、声が肯定的か否定的かを判定して、満足度の傾向を数値にします。観点別分析は、価格や使いやすさといった評価軸ごとに声を仕分けして、軸ごとの満足度を比べる手法です。
近年は、これらをAIで自動化し、大量のレビューを短時間で観点別に整理する方法が広がっています。
実例:観点別にVOCを定量化するとどう見えるか
ここからは、実際にVOC分析を行うと何が見えるのかを、独自集計のデータでお見せします。例として家庭用脱毛器のカテゴリを取り上げ、顧客の声を10の観点に分類し、観点ごとの満足度を集計しました。横棒は、各観点で肯定的な声が占める割合です。
| 評価の観点 | 肯定的 | 否定的 |
|---|---|---|
| 操作の簡便さ | 85.7% | 6.6% |
| 本体のデザイン性 | 78.2% | 8.2% |
| 冷却機能の効果 | 77.0% | 11.1% |
| 照射範囲の広さ | 75.1% | 16.3% |
| 脱毛効果の持続性 | 68.1% | 12.1% |
| 使用時の痛みの程度 | 65.1% | 16.7% |
| 価格の妥当性 | 62.0% | 14.0% |
| ブランドの信頼性 | 58.2% | 19.2% |
| 肌への安全性 | 54.4% | 25.6% |
| バッテリー持続時間 | 53.3% | 30.3% |
集計N数:69,122件(10観点の合計言及数)/集計時点:2026年6月/出所:楽天市場・Amazon等の商品レビューを独自集計
このカテゴリでは、操作の簡便さが満足度のいちばん高い観点で、肯定的な声が85.7%を占めました。一方で、バッテリー持続時間と肌への安全性は否定的な声の割合が相対的に高く、改善の余地が集中している観点だと分かります。
もしあなたがこのカテゴリの商品を扱うEC事業者なら、訴求では操作の簡単さを前面に出し、商品開発や説明ページではバッテリーの持ちと安全性への不安を先回りして解消する、という打ち手が見えてきます。これがVOC分析の価値です。
VOC分析を効率化する方法
VOC分析は手作業でもできますが、レビューの量が増えるほど、観点への分類と定量化に時間がかかります。ここを自動化できると、分析のスピードと精度が大きく変わります。
TrendViewer は、業界横断の大規模レビュー解析メソッドにもとづいて、商品カテゴリのVOCを観点ごとに自動で定量化します。上の実例のような観点別の満足度マップを、短時間で出力できます。自社商品の消費者インサイトを分析したいメーカー・EC事業者の方は、TrendViewer Analytics をご覧ください。集客と接客までを一括で支援する TrendViewer Growth もあわせてご活用いただけます。
よくある質問(FAQ)
VOC分析とは何ですか?
VOC分析とは、顧客の声(Voice of Customer)を収集・分類し、観点ごとに満足度を定量化して商品やサービスの改善に活かす手法です。
VOC分析の目的は何ですか?
実際の顧客の声を根拠に、改善の優先順位づけ、企画の裏づけ、離脱理由の把握、競合比較などの意思決定を行うことが目的です。
VOCとはマーケティング用語で何ですか?
VOCは Voice of Customer の略で、レビュー、SNS、問い合わせなど顧客が残したあらゆる声を指します。
VOC分析にはどんな手法がありますか?
テキストマイニング、感情分析(センチメント分析)、観点別分析などがあり、近年はAIによる自動化が広がっています。